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◆ 鎌倉時代、吉田兼好が「徒然草」を執筆したと伝えられる


双ケ丘(手前の森は法金剛院)

洛西、右京区御室学区は、北には衣笠山などの美しい山々を望み、西に
は、兼好法師ゆかりの双ケ丘があり、その小高い山に登れば、緑の木々
の間に間に、北には皇室ゆかりの仁和寺、”虎の子渡しの庭”で有名な
竜安寺、東には、臨済宗妙心寺派の大本山妙心寺、南には待賢門院ゆか
りの法金剛院の伽藍を眼下に眺められる。

●雙ケ岡(双ケ丘)の謂れと歴史
仁和寺の南に広がる小丘は『雙ケ岡』(現在の『双ケ丘』)と呼ばれ、
昭和16年に名勝に指定された。
雙ケ岡は北から南に向かい、次第に低くなる三つの丘から構成され、北
側から順次一の丘、ニの丘、三の丘と呼んでいる。
一の丘の頂上には、大規模な古墳があるが、何度も盗掘されているため
被葬者はもとより造成の時期等は一切不明である。
しかしながら、石室を造成する石材の規模は
奈良の石舞台にも匹敵するほどのものであり
大きなものは25トンもある。
一の丘にこの石材はなく、三の丘には同じ質
の石があることから、石室を構成する時にこ
の頂上まで運びあげたものと想像されている。
よほど有力な者が葬られていたに相違ない。
雙ケ岡には、これほどの大きなものは外にはないが、規模の小さい古墳
は無数に散在している。
ある時期、この丘はその全山が墳墓の地であったといえよう。
さて、桓武天皇の時代になり、都が京都に移
されると、このあたり一帯は天皇が鷹狩を行
なうための禁野の地として知られるようにな
った。さらにまた、この地の風光が一段と明
媚なところから、貴族の別業(別荘)の地と
しても知られるようになった。
例えば、『日本後記』や養老律令の解説書で
ある『令義解(りょうぎのげ)』を編纂した右大臣清原夏野(782〜
837)や嵯峨天皇の皇子である左大臣源常(812〜845)などが
この地に山荘をかまえている。
雙ケ岡の北に仁和寺が創建された後では、『徒然草』を書いた兼好法師
(1283〜1350)、さらに時代が下がると光琳、仁清、乾山がこ
の地に簡居をかまえている。


●雙ケ岡(双ケ丘)古墳群
[群集墳]
 小規模な古墳が一定の地域の次々と築造されて群をなすもので、5世
紀末から6世紀初頭に始まり6世紀後半の最盛期を経て7世紀前半に衰
退していった。被葬者は墳丘規模、内部構造さらにその圧倒的な数から
見て一部の支配階級ではなく、より広範な階層の人々と考えられる。
丘内にはニ群20余の円墳が確認されている。


[一号墳]
 一の丘山頂に1号墳がある。昭和55年の発掘調査により全容が明ら
かになった。1号墳は円墳で、その規模は直径約44メートル、高さ約
8メートルを測る。主体部は横穴式石室で、石室の全長14.6メート
ル、玄室(死者の棺を安置する所)は幅3.6メートル、高さ5メート
ルあり、その規模からみて上でも述べたように、首長級の古墳(※)
思われる。6世紀末から7世紀初頭の築造で、調査では金環、須恵器、
土師器などが出土している。

※「一号墳」は廣隆寺の創建者「秦河勝(はたのかわかつ)」の墓とい
 われている。

■ 雙ケ岡古墳群位置図 ■


■ 1号墳 石室断面図 ■


●昔も今も変わらない『自然豊かな丘内』
双ケ丘(雙ケ岡)は周囲を住宅に囲まれ、南北約700メートル、東西
約170〜350メートルの独立丘陵で北から一の丘(標高116メー
トル)、ニの丘(102メートル)、三の丘(78メートル)の三つの
峰が南に向け、なだらかな傾斜をもって低くなっている。丘内はアカマ
ツを主体にヒノキ、スギ、ソヨゴ、コナラ、アラカシ、エゴノキ、モチ
ツツジ、リョウブなど緑豊かで、野生鹿も生息している。

[つれづれみちと道沿いのヤマザクラ]

つれづれのみち

こもれびのひろば

はなみのひろば

ヤマザクラ
雙ケ岡東麓を北から南へ貫く散策路で、道幅2.5〜4.0メートル、
全長約600メートルあり、園路沿いに「こもれびのひろば」、「はな
みのひろば」を設けている。また、北の仁和寺、南の法金剛院を結ぶ歴
史の道でもある。

※もちろん「つれづれのみち」は「徒然草」からとったものである。

[とおみのひろば]

野生鹿
ニの丘頂上から北へ下がったところにベンチ、図板を設置した「とおみ
のひろば」がある。眼下の妙心寺境内から京都市街、更に、東山が一望
におさめられる「絶景の場所」である。


●守り続けられる双ケ丘

<丘の利用>

園児の昼食

親子の遊戯

散策

見学会

<丘の管理>

肥培管理

アカマツの伐倒

植林

防除


地域の人々を中心とする日々の清掃や月1回のクリーン・キャンペーン
が繰り広げられ、双ケ丘の美観が保持されている。


●双ケ丘周辺の文化遺産

仁和寺

妙心寺

法金剛院


●名勝 双ケ丘(雙ケ岡)へのアクセス
所在地:京都市右京区御室双丘町

 (名勝指定年月日:昭和16年11月13日)